ブラック企業が懐かしい―知人、友達、親友―

 金は無い、財産も無い、住む家も無い、事務は出来ない、管理も出来ない、身分も無い、親もいない、親戚づきあいも無い、身体も弱い、人付き合いも悪い、学歴も低い、死にたくも無い。こんな無い無いづくしの人間が真っ当に働いて、普通の人達より多くの生活費を得たいと考えた時、どんな企業を選ぶだろうか。いやどんな企業が従業員として採用してくれるだろうか。たぶん、すべてとはいかないまでも、営業職ならば大概の企業は採用してくれるのではないかと思われる。

 ある男(今後C君と呼ぶ)は、この無い無いづくしの人間で、しかも暇を見ては勉強したり、知人と酒を飲んだり、恋愛の真似事をしたりとやりたい事がおおいので、能力が無いのにもかかわらず、家賃、飲食代、学費、遊興費と出費が多いので生活費が大変で、同年輩の人達より多く賃金がほしかった。そしてC君が最もやりたくない業務は営業だった。

 C君は失業中だった。毎日新聞の募集欄を見たり、職安へ通ったりしていたが、彼の希望どおりの勤務先は見つからなかった。仕方なく彼は営業職を選んだ。そして会社名は良く耳にする大きな企業に就職することができた。何しろ1日に10人ほどが退職し、10人ほどが入社するという企業なので、ある意味楽といえば楽、大変といえば大変な業務だった。

 C君はそこで大勢の人々と知り合うことが出来た。なかでもAさん、Bさんとはなぜか気が合った。性格も全く違う、年齢も大きく離れている、この3人が何時も連んでいるのは他の人達から見れば異様に見えたに違いない。この3名の者達は、三羽烏と称していたが、陰では3馬鹿トリオと言う者達もいた。こういう企業だからノルマは厳しい。
 上手くいかない日はやはり自分はだめな人間なんだなと心が折れそうになる。毎日毎日が自分との戦いだった。そんなある日、Aさんが2人(BさんとC君)を呼んで言った。

 「私はこの全体のノルマを達成すると上司に誓った、君たちも協力してくれ」
 「良し解った」二人は承知した。それからの一か月は、何が何だか解らない様な毎日が続いた結果、所定のノルマを達成することが出来た。その時何かがはじけた。それ以来C君の心は大きく変化した。ある程度仕事にも自信がつき、何とか希望する賃金を確保することができるように成り、学校に通ったり、人と酒を飲んだり、恋愛の真似事も出来る様になった。

 でもこんな仕事は長くは続かない、4年程でやめた。それからのC君は何事にも自信が持てるようになり、物事の判断もある程度はっきり出来る様になった。彼は17年間で10回程転職していたが、現在の職業に就いてから42年になる。古い昔話だが人間は常に何か挑戦する心を持つことが必要ではないだろうか、とC君は言っていた。

 安倍内閣は、[働き方改革」を行なう、70年に一度の大改革だ、と叫んでこれを実施しようとしているが、実情はご承知のとおり、少しも進展していない。法を犯すようなことはだめなことは論を俟たないが、企業は色々な企業があっても良いと思う、また無ければいけないのだ。そして働く人間も、色々な人間がいなければならない。

 オリンピックの出場選手を見ても解るように、もともと才能がありしかもそれが大好きな者が、普通の人の何倍もの練習を積んでお互いに競い合い、そして出場権を獲得する。 これ等の優れたアスリート達と同じ練習を、何の才能も無い極一般の人達が行なったとしたらどうだろうか、おそらく死者も出るに違いない。それを避けるためには、自分に合った職業と企業を選ぶことだと思います。高い賃金を得ようとすれば、その企業が要求する高い能力を身につけることが必要です。

 体力に自信がある人、考えることが好きな人、暑さに強い人、寒さに強い人、虚証の人、実証の人等々個人にはそれぞれ大きな差(個性)があります。その個性を生かせば良いのです。「鵜の真似ををする烏」「鳶が飛んでいるのを見て石亀の地団駄」ではいけません。

 又その人の働く動機にも大きな意義があります。その目的によって働く意欲も違って来ます。企業も働く人(使用者と労働者)も、あまりにも己を知らない(限度が解らない)人達が多いのでは無いかと思います。企業は採用したものがどの程度の能力があるのか見極めなければなりません。その従業員の能力を超えたノルマを課す様では企業を運営する資格はありません。又労働者も自分の能力を超えた賃金を要求することは出来ません。

 働き方を法制化するには、まずその基本をしっかりと理解することが大切です。
 勿論一定の歯止めは必要です。

 今盛んに論議されている「働き方改革」に関して私も幾つかのアイディア(思案)を持っております。しかし今それを公表すべきでは無いと考えております。

 法律だけが一人歩きをしないように、ぬかに釘を打つことの無いように祈ります。

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