本人限定受取郵便の怪!?-自分が自分であることを証明する事の難しさ-

 個人情報保護の行き過ぎなのだろうか、職業柄年2~3回は「本人限定受取通知」なるものを、住所地管轄の郵便局本局から連絡が来る。ご承知のとおり本人以外の人は受領出来ない(一部委任状によることも出来るが)本人が本人であることを証明した上で初めて郵便物を受領できる制度である。本人の確認資料として通用する物は、民間人が所持する物が非常に少ない、殆どが「公務員の職員証」である。

 誰が何を基準に決めたのか解らないが、公務員以外は人間ではないということなのか、人間差別もはなはだしい。そもそもこんな制度自体が必要なのだろうか?

この「本人限定受取通知」がくるたびに何かこう馬鹿にされているようで(実際馬鹿なので仕方が無い)何時もいらいらするのである。

 今回もこの通知が来た。私が自分を証明できるものは、運転免許証、住民基本台帳カード、宅建主任者証位しかない。ポピユーラーなのは運転免許証だろうがこれは一般的過ぎてなんとなく出したくないし、必ず当然のように「コピーをとらせてください」といったかと思うと返事も待たずに奥へ持って消えてゆく。案内書にコピーをとらせていただく場合がございます、の一言もあればよいのだが、そんな断り書きは一つも無く平然として行う、それが又国民を見下げているように思われて又余計に腹が立つ。

 最近ではこの案内が来るたびに血圧が上がってしまう、今日も今日とて、郵便局近くの歩道橋を上がっていったら又血圧が上がってきて気分が悪くなってきた、どうしてこんなに苛付かなければならないのか。今日は絶対にコピーはとらせないぞ、と心に誓いつつ郵便局に着いた。

 土曜日の昼近く局内、は割合空いていた。指定の窓口には前に二人順番を待っているだけだった。わりと感じのよさそうな若い女性が一人で対応していた。この方ならあまりごねるのは止そうと思った。その時いきなり奥から爺様が現れて横柄な態度で「はいこっち」と手招きした、犬や猫ではあるまいし手招きは無いだろう、と又腹が立った。

 無言のまま受領書と住基カードを差し出した、この方はアルバイトなのだろうか?殆どの方が運転免許証で済ませていると思うので、住基カードを始めてみた様子で、しかもこれでよいのかどうかしきりに首をかしげて考えていたが、

「コピーを取らせて下さい」と言った、奥へもって行けば詳しい人がいるのでこれでよいのか否かを聞くのと、コピーを取るのが同時に出来ると思ったのだろう、

「駄目ですコピーは取らないでください」これにはかなり驚いたらしい。

 行きかけた足が止まってこちらを振り向いた、
「コピーを取らせてはいけないと言われました」
「言われたわけではないでしょう、とらせたくないのでしょう」
「作ったときに取らせるなと言われました、番号を控えてくださいそれでいいはずです」「上司と相談します、ちょっとお待ちください」とそのカードを持ったまま奥へ消えて行った。待つこと約3分ぐらい、出てくると
「解りましたそれではカードの番号を控えさせてください」と言いながら受領書にカードの番号を記入して、ポイっと住基カードを返してくれた。
私はそれを仕舞いながら、

「ずい分長く奥にいましたね、コピーを取るには十分すぎる時間でしたね」 と言ったら、かなりうろたえた様子で、

「いやその、そんなことはしていませんよ、唯上司と相談していただけです」と言う。

多分それだけだろうと思っていたが更に意地悪く、

「それならどうしてカードを持って行ったのですか」と言ったら、

 「それはそのコピーを取るつもりではなくて上司に相談したかったからです、そこは相互信頼の関係で信用してください」

「相互信頼の関係があるなら何も本人確認書やコピーなど必要無いでしょう、この通知書を持ってきた人に渡せば良いではないですか」

「それは出来ない規則になっています」

 段々馬鹿馬鹿しくなってきた、と同時に最初からコピーさせてやれば良かったかなと、後悔もし始めていた。

 「どうしてコピーを欲しがるんですか」と私、

 「相手側からの要望なんです」と彼、平気で嘘がすらすらと出てくる。

やっぱりこの人は役人根性が抜けないんだな、そして今後も変わらないだろう、私とて同じこと、これ以上変わることもあるまい。

 「そんなに頻繁にコピーを取るのならどうしていちいち奥へ持っていくんです、コピー機を此処に置いたら良いではないですか」

「置く場所が無いんです」

「さっきから見ているけど其処の机は全然使用していないじゃないですか、それらを整理すれば幾等でも置く場所なんか確保できるでしょう」

 「こういう配置なんです」

「とにかく此方が見えるところでコピーを取ってください、それなら幾等でも取らせてあげますよ」 「上司に伝えておきます」

 「それから案内書に、確認証をコピーさせて戴く場合がありますと書いておいてください」

「それも上司に伝えておきます」  その時まだ肝心の郵便物を受け取っていないことに気が付いた。まだ郵便物を戴いていませんよっと言おうとして「あのー」と言ったのと、 「郵便物渡しましたよね」と言われたのが同時だった。

 「まだ戴いていませんが」 「あっ何処へやったのだろう」彼は狼狽しきってあちこち探し始めた、私にどんな難癖をつけられるか、それも心配したのに違いない。

その状態もなんとなく気の毒だった、その時その近くにいた若い女子職員が、「自分で持っているじゃないですか」と彼に言った。

 見ると彼が左脇に挟んで持っていたのだった。 「あぁ良かった、大きすぎて気が付かなかった」郵便物はA4の封筒だった。

 それを手で持ち直してハイっと渡してくれた、渡す人と渡される人、お互いに顔を見合わせて苦笑いした。  (´ο`*)

 

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