不況風が身にしみる年の暮れに、「千べろ酒場」(せんべろ酒場)なるものが人気を集めているという。酒、おつまみ(肴)が安価で、千円でべろべろに酔える、というのが、「千ベろ」の由来らしい。
酒場で、一人又は数人で、安価に喉を潤おしながら、今日の疲れを取り、ストレスを解消して明日の活力を得るのなら安いものだと何かの本に書いてあった。
でも、この世の中にはこれより以下の人間がいることをご存知だろうか。
晩酌に千円使える人は、ある意味幸せな人達だと思う。
毎日へとへとになるまで働いて、家に帰って来て、ホット一息つくために飲める酒は、720ml、500円の焼酎だ。この焼酎を梅割のお湯割で3~4日で空ける。この梅干もただの梅干ではない。つぶれ梅といって原形をとどめているのは種だけで、果肉はぐずぐずにくずれている。まともに売れないものを約半額ほどで売っている。
これをパックで買ってきて、厚手の湯呑みに種1個と、1個分にふさわしい崩れた果肉をすくって入れて、その上に焼酎を少し入れ、お湯をたっぷりと注ぐ。そして、まずい飯とともに胃に流し込む。胃にもプライドがあるらしく、これを飲むと、ぶつぶつ文句を言って、キィーと痙攣する。
ようやく胃が慣れてきた頃には、今日の分は終わりという訳だ。
こんな生活をどれほど続けてきたことか。死ぬ前に一度でいいから千円酒場に行ってみたいと思いつつ、今日もまずい焼酎を飲んでいる。 (続く)
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