―結婚式・葬式・大嘗祭―人間は政治と宗教から逃れられるか

最近身近な方が亡くなられ葬儀(葬式)に参列した。近年葬儀は、簡略化する事が多くなり限られた身内だけで行なう(家族葬)が目立っている。
訃報を受けた時に、本人(喪主)を労るつもりで、生前出来るだけのことはしたのだから葬儀は簡単にしなよ、といったら、「いやそうはいかない、本人の希望もあったし、、、」との事だった。自分達の信仰している宗教に則ってやるのだという。

葬儀は、通夜、告別式、初七日という行事がある。そして参加する方々も、亡くなられた方の親族、喪主の方の親族、そして同一宗教の地区の方々、の3種類?ある。

私は、無宗教、無信心の人間なので、好きな宗教は無いが、特にこの宗教には馴染めない。といって信心している方をどうのこうのというわけでは無いが、こういう方々に囲まれてしまうと、正直戸惑ってしまう。

兄弟姉妹も年を重ねてくると本人が出席するのが難しくなってくる。日頃は年賀状のやりとりくらいで、お付合いが無いので、姪、甥、孫などと顔を合わせてもさっぱり解らないし、相手も同じで交わす言葉も無い。

その点亡くなられた方の親族達は、日頃からことある毎に顔を合わせているのだろう、20~25人位が集まってわいわいと喧しい。さっさとお焼香を済ましてさっと帰るわけにもいかない、最後までつきあわなければならない。

通夜の時には顔見知りの姪夫婦と姉がいたので、私はこの宗教で唱える経文を知らないので、姪に叔父さんはみんなが唱える経文の唱和出来ないよ、といったら、「いいよ叔父さんは手を合わせているだけで、後は私達がやりますよ」といわれたのでほっとしてガーガーガーガーと蛙の合唱によく似た経文に唱和すること無くきょろきょろしながらあくびをかみ殺して無事通夜の式典を乗り越える事が出来た。

しかし、姉や姪達は都合で通夜だけの参加なので、告別式には、こちら側は私一人になってしまい、御斎時でも彼等は集団でワーッと席を取りそれぞれ2団に分かれてわいわい言いながら食事をしていてどこからも無視されて、私は一人でポツンと食事をしていた。

これは明らかに、民族の違いと、宗教の違い、思想の違い、と今の各国のおかれた立場の縮図のようなもので、思想の統一などほど遠いと思った。
宗教とは何か、広辞苑によると「神又は何らかの超越的絶対者あるいは卑属なものから分離され禁忌された神聖なものに関する信仰行事またそれらの連関的体系、帰依者は精神的共同社会(教団)を営む。アニミズム、自然崇拝、トーテミズムなどの原始宗教、特定の民族が信仰する民族宗教、世界的宗教すなわち仏教、キリスト教、イスラム教など多種多様多くは教祖、経典、教義典礼何等かの形でもつ、とある。

政治とは何か、これも広辞苑によると「①まつりごと ②人間集団における秩序の形成と解体をめぐって人が他者に対してまた他者と共に営み権力・政策・支配・自治にかかわる現象。主として国家の統治作用を指すがそれ以外の社会集団および集団間にもこの概念は適用出来る、とある。
「祭」[政」は、昔は同じ意味だったらしい。つまり祭事の主催者が政治を行なっていたといわれている。

結婚などは、戸籍法に従えばそれでいい。結婚式や披露宴などする必要はない。
出生・死亡は、戸籍法と墓地埋葬等に関する法律、に従えば良い、葬式などしなくてもよい事になる。
結婚式や葬儀等を行なうのは、それが行なう方々の気持ちを安らかにするために行なうのだと思われる。
もしそうだとするならば、これは古くから脈々と受け継がれてきた、精神的共同社会を維持するための行為であり、心のよりどころとなるのであって、明らかに宗教であり、政りごとの一部でもあるといえるであろう。

神も仏も天使も悪魔も所詮は人間の創造物でしかない。
どうして創造しなければならなかったのか、それは人間が生きて行くのに必要だったからだ。つまり農産物や魚介類と同じだといえる。農産物や魚介類(食料)は、身体を維持していく糧であり、宗教は心(精神)の糧であるといえよう。

したがって宗教も政治も、人種や地域及び環境の影響を受けて宗教も政治も異なる。
では、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」や「大嘗祭」が憲法に反するのか否かの問題を提起している様であるが、私的にはこれは間違いなく「国事」であり天皇陛下が行なわなければならない行事であると思う。

無宗教の私も死んでしまえば遺族達が何等かの宗教的儀式を行ない埋葬してくれるだろう。どんな宗教でもかまわない、簡単に済まして法律どおり処理してほしい。

その代わり生きている内は少しわがままをさせて頂きたい、後ほんの数日、数か月、数年でしかないのだから。

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