「あなたとは違うんです!」-客観的と他人事- 

「私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです。」

 福田首相が9月1日夜に辞任を表明した記者会見で、「総理の会見は国民には人事のように聞こえる」という記者の質問を受け述べた言葉が、ネット上で話題になり、「あなたとは違うんです」Tシャツ が売れているそうです。

 福田首相は、まさしく、自分の状況を冷静に判断する首相であるので、下記のような状況を客観的に判断し、それならばいっそ傷が浅いうちに辞任したほうが、自分のためにも自民党のためにもよいと思って、辞任を決断したことは、当然のように思われるのです。


①政治にそれほど興味を持っていなかった。
②総理を引き受けたことによって、今まで知らなかった政治の悪いところが多く目に付いてきた。
③国民の目線と他の政治家たちの思惑があまりに違いすぎて、どうしたらよいのか戸惑うことが多かった。
④福祉、経済、外交、財政どれに手をつけても必ずそこには古い族議員がいて思うように進まなかった。
⑤財政の無駄を省くには抜本的な公務員改革が必要だがとても自分の力ではできない。

 こんな状態では、何をやってもうまくいかないし、最後にはへとへとになって、解散、総選挙に追い込まれることは目に見えているし、そのことは、福田首相自身も、ほとんどの人達も違いはなく、そう考えていたのではと思われます。

 ただ、客観的と他人事は、表現の違いに過ぎず、肯定的に語られるときは「客観的」で、否定的に語られるときは「他人事」なのです。

 何でも客観的、他人事で、事なかれ主義という性格では、やはりこの危機的な日本の状況を変えられるはずもなく、そもそも政治家にも、性格的に向いてないのではなかったか、とも思われたのでした。    

福田首相は、今日、内閣総辞職を控え、首相官邸に隣接する公邸を去った。     

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