損害賠償の方法 【恋愛の代償 ドグラマグラ考】

  1月22日の夜、静岡市駿河区在住の男性が、愛人だった女性に包丁のようなもので刺されて、死亡した。詳しくはわからないが、この男性は、年上の妻があり、女性とは不倫関係にあったらしい。男性と妻が乗り込んできて3人で話し合いをしていたが、そこに女性の父親が来て争いの中に入り、2人と1人に分けて外に出たところ、女性が男性だけを呼び戻して、持っていた刃物で刺したのだという。
 「遠くて近きは男女の仲」というが、この世の中には、男と女しかいない(例外はあるが)。しかも、両性とも、子孫繁栄のDNAをもって生まれて来るから、常に争いが絶えない。男と女はお互いに、愛し合い、殺し合う宿命を負っている。

 推察するしかないが、この事件に限っていえば、殺された男性は、妻と別居している、結婚しようなどと甘い言葉で相手を誘惑し、女性はその言葉に乗ったのだろう。彼の妻のことは、彼から、ことあるごとにどれ程の悪女であるかを吹き込まれていたに違いない。したがって、この妻のことは、女性の頭の中で、ある程度悪妻ぶりが組み立てられていたと思われる。だから、言い争いになったときも、この妻は思っていたとおりの悪女だと軽蔑度が増しはしたものの、引っかかれたり殴られて血だらけになったりしても、それほど意外には感じなかっただろうと思われる。
  ここで、問題なのはこの殺された男性である。散々妻の陰口をたたいておきながら、3人での話し合いになるとくるっと踵を返して、妻と一緒になって女性を責めたのではないか?家に帰るとあたかもこの女性が悪いということを妻の前でつくろって、悪い印象を植え付けていたのだろう。普通目の前で女性二入が血を流すような喧嘩をすれば、とめに入るだろう。それを血だらけになるまでほうっておいたのは、その証拠である。
この話し合いで、この女性は、この夫婦が本当に次元の低い見下げ果てた奴らだと覚ったに違いない。こんな連中にだまされていい気になっていたのかと思うと自分自身が腹立たしかったのだろう。まして、自分が軽蔑している人たちに思う存分ののしられ、殴られて惨めな思いをさせられた、これは、耐え難い苦痛である。
  人間は汚いものや醜いものを嫌う性質がある。子供がその辺を這いずり回る蜘蛛や蜥蜴の類をたたいたり踏んづけたりして殺すのは、この本能のなせる業である。この場合、この女性には、この男がもはや愛の対象ではなくて、醜い穢らわしい動物にしか見えなかっただろう。そしてそんな奴をかって好きだったのかと思うともう我慢がならなかったのだと思う。そして、その瞬間殺さなければいられない衝動に駆られたのであろう。
  血をすわれた蚊や蛭を叩き潰す人のように。

 何も殺さなくても、とか、一度は愛した人を、、とか言う人もいるが、男女の関係は、理屈で論じられるものではないし、最も原始的で最も不可解なものである。愛増は、金銭に換算することは出来ない。
 人間の脳(精神)なんて、ドグラ・マグラ以降、少しも解明されていないのだ。私は、死者にムチ打つつもりはない。つもりはないが、「人生限りあり、名は尽るなし」日常の言動は、慎重にしなければならない,と改めて思う。

他人事と思うなかれ。明日の自分かもしれない。

-民法第417条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。- 

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