春昼夢(しゅんちゅうむ)

 同級生とは、どういう位置に存在するのだろうか?
 身内でもなく、友達でもなく、親友でもなく、敵でもなく、味方でもない、それでいて妙に気にかかる存在でもある。
 特に田舎(地方)では、大体小学校、中学校の9年間は 同じ顔ぶれが多い。
 しかし、中学校を卒業すると、それからの進路はバラバラになる、高校も、就職先も、ほとんどが見知らぬ人達と一緒に新たな生活が始まる。
 だが、子供の頃9年間一緒に過ごした同級生の印象は強く心にのこり、懐かしく思い出す事がほとんどの人達に共通していて、誰が言い出すということもなく、「同級会でもやろうか」ということになる。
 これは、法律で決まっているわけではないから、好きな人が、好きな人達に呼びかけて会合を持てば良い事になる。いやな人(嫌いな人)には誘いかけなければ良いだけで、声をかけられない人は何も知らないですむ。

 私が一番最初に同級会に誘われたのは、中学卒業後30年過ぎてからだった、よほど皆から嫌われていたのだろう、自分ではそれほど悪ではなかったと自覚しているが・・
 それから1~2回は出席したが、あるとき私の事務所(その頃私は新宿区西新宿7丁目に事務所を持っていた)に遊びに来た同級生の一人が、「同級会は私他数人のグループが主催している、このメンバーの内誰かの紹介がなければ同級会に出ることは出来ないのだ、もし君が今後も同級会にでたいのならば私が推薦してやっても良いぞ」と言われた。
 この男は、小中学校時代身体は大きかったが腕力はいまいちで、いつもヘラヘラと私に付いてきていた男だった。これを聞いたとき私は「こんな馬鹿どもにへつらってまで会う気にはならない」と思ったが「そうかその時は又頼むよ」と言っておいて、その後21年間誘いの手紙が来ても出席しなかった。(どうやら誰に招待状を送るかは、その時の幹事に任されていたらしい)
 そのうちどうしても会いたいから出てこいよ、という誘いの電話や はがきが、開催連絡とは別に届くようになったので、それから何回か出席した。
 私は大勢の雑魚寝が大嫌いで、出席するときは同じホテルに自分用の部屋を予約して8時になるとその部屋にこもり、持参したウイスキーを飲みながら静かに本を読む事にしていた。
 もう年齢的に他界された人達も増えて数年前から今後は同級会はやらない事に決めたといって開催狀も来なくなっていたが、つい半月前位に東京で結婚している女子の同級生から、田舎にいる同級生のボスに頼まれたらしく、同級会をやるので出席してほしい旨の電話があった。私は、もう年だから一ヶ月先のことは約束しないことにしている、今即答するなら欠席にすると言ったら、正確な返事はあとでいい、一応出席する方にしておくとのことだった。 私が小学生の頃、印象に残った女性が、8年ぐらい前、肺気腫を患いもう生き切ったので死んでも良いと言って生存措置をとらず他界された。
 その方から頂いた3枚の栞がある、栞の絵柄は、毘沙門天、千手菩薩、大日如来像でいずれも私を守ってくれると言われて渡されたものだ。
 今回の同級会の誘いは、あるいはすでに他界している同級生があの世から招待しているのかもしれない。
 この異様な春の気候は、正気の人を狂わせ、魔性のものたちの力を増大させる作用を持っている様に思われる。私は別にやましい心はないので、万一悪霊に取り憑かれても、神のご加護により守られるので平気ですが、皆様はやましい心を持っていると悪霊に取り憑かれる可能性大なので十分気をつけて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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