湯豆腐は美味しい-「必殺仕掛人」彦次郎の巻

池波正太郎氏は、私が好きな作家の一人です。
氏の作品の中でも、「剣客商売」と「必殺仕掛人」を面白く読んでいます。
これ等の作品は、映画やテレビドラマにもなっていて、秋山小兵衛や、藤枝梅安等多くの俳優さんが演じておられ、それぞれ個性があり甲乙つけがたいのですが、私的には、藤枝梅安を演じた 緒方拳 氏が、印象的でした。

彼の仲間には「彦次郎」という同業者がいるのですが、彼が、湯豆腐で一杯やる場面がよくでてきます。私も、彼を真似て、湯豆腐で一杯やろうと思い立ちました。

 すぐに、卓上電気コンロを買ってきて、コンロに鍋をのせ、煮立ったお湯に豆腐を入れ、ふわっと浮き上がってきたところをすくって、カツブシと生姜おろしとしょうゆをつけて、さっと食べる。美味しい!
豆腐は柔らかで、中まであつあつで、これが口中にとろけて、淡泊で、なんとも言えない美味しさです。盃をほしては、豆腐を食べ、豆腐を食べては盃をほす。最高です。
この場面に限っては、橋爪功 氏演じる彦次郎に、すっかりなりきっていました。

 ところが、この後が大変です。6畳の締め切った部屋では、コンロの熱が部屋の温度を急上昇させ、顔が熱くってたまりません。そのうえ酔いも一気に回ってきて、何だか気分が悪くなってきたのです。鍋から立ち上る蒸気で、除湿機をフル回転させてもダメ、コンロはお勝手のほうにかたずけ、洗面所で何度か顔を水で冷やしたのですがさっぱりだめ、結局、くたくたになり、気分は彦次郎、どころではありませんでした。

 私は物事を始めるに当たり、いつも真摯な気持ちで良好な結果を期待して始めるのですが、途中で喜劇に変わり、最後は悲劇で終わります(笑)。

 それでも、最初の2~3切れの、あの、ふわふわあつあつの豆腐の記憶は、口中に残っております。

これに懲りない私は、今度こそは、冬であれば、こういう惨劇も起こらないのではと、またもや彦次郎の気分を味わおうと、冬が来るのを楽しみにしているのです。

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