今年の夏は特別暑かった、過去にない例外の暑さだったと思う。この暑さを吹き飛ばすかのように、フランス、パリで行われたオリンピックでは過剰な応援をしている国が多かった。日本もご多分に漏れず狂気じみた応援を行っていた。、蝉の声も少なく、この時期ようやく風に秋の気配が感じられる様になったが、まだ赤とんぼは姿を見せない。
暑さ故に、夏休みを多く頂いた。
どこかに出かける気力を失なっていた私はこの際好きな本でも読もうと思って、文庫本を5冊ほど買った。
私は、明治後半から昭和の大戦終結頃の小説家に興味を持っている。俗にいう、大正デモクラシーに台頭した文学者達、純文学から恋愛、探偵、怪奇、恐怖といった様々な分野の小説に触れる事が出来る、何とも言えない興奮を味わう事が出来る作家諸氏の作品が大すきである。
事実は小説よりも奇なり、という言葉があるが今回読んだ「小酒井不木(こさかいふぼく)」氏の短編小説の中に、現在進行しつつある事実に相似した小説があったのです。
A氏とB子は、人を通じて結婚することになり、仲人を介して結婚式をあげた。
一夜を共にしたがちぎることはなく次の日B子は実家に帰ってしまいそのままA氏の所へ帰ることはなく、手紙で帰れない理由を書き綴ってA氏に送った、その概略はB子は、網膜炎を患って右目が失明していた、しかし網膜炎であるからちょっと見た目で解らない、私は障害者であることを隠して貴方と結婚してしまった、とんでもない嘘をついて貴方を偽ってしまった、そして今告白したので申し訳なくて貴方の元には帰れないのでどうかお許し下さい、というものだった。
これに対してA氏は、私も網膜炎で左目の明を失っている、気にせず戻ってきて下さい、という手紙がB子に届いた、B子は、披露宴の時に貴方の友人が凄く酒に酔っていて私の母に、A氏は左目を失明している、と話したのを聞いた、私をだまして結婚したのは貴方でその事実を貴方の口から聞きたかったのだ、という手紙を送り離婚は成立した。
今までが、小説の内容だが、これからが現実におこっていることです。
私の知人にM男というのがいる。彼は少し変わり者だが特に身体的な欠陥はない。
ただ、子供の頃随分苦労した事があって、絶対に結婚はしない、子供の親にはなりたくない、と堅く独身を貫いていた。
あるとき、会社で世話になっている先輩から、なんとしてでも付き合ってほしい女性がいる、「ただ見合いするだけでも良い」、「私の女房の顔を立ててくれ」、と言われその女性が通っている手芸の先生や、その娘の両親(含妹)、娘本人の強い希望もあって、見合い後、嫌々付き合いを始めたが、その間その連中があらゆる手段を行い、情にもろいM男はそれを信じてとうとう結婚してしまった。
一緒に暮らしてみると、その妻になった人は右目が失明していた。(しかし小説にあったとおり見たところ普通に開いていて、よほど詳しい人でないと見ただけでは失明しているとは思えなかったという。)
その妻の両親や妹は、失明していることをひた隠しに隠して結婚させたのであった。また失明が分かった後でも、病名も、病気になった理由も絶対に言わないそうなのです。
又、そのほかの事についても交際時に言っていたことはほとんど嘘であったという。しかしM男は子供達が不憫で離婚もしなかったが、大事な子供が母親の遺伝をうけついでしまったそうである。しかも、それだけではなく、結婚後そのM男は、ストレスから様々な、不幸な出来事を体験することに、、。
その見合いを強引に押しつけてきた先輩夫婦は、それからすぐ離婚してしまい、奥さんのほうはその後2回離婚し、今はどうなっているか解らない。
先輩も、消息はわからないらしい。
その結婚に加担した、手芸の先生も、大地主の年配の人と結婚していたのだが、ある日突然急性心不全で亡くなってしまい、多額の遺産を相続することは出来なかった。
又M男の妻の両親も亡くなり、加担した妹もあっけなく亡くなって仕舞った。
ここまでは、神様も裁きを下したのであろうか、、、。
しかし、肝心のM男の妻はもの凄く元気で、おそらく150歳くらいまでは、生きるのではないかと思うとのことです、、。
”ハッピーエンドは小説、現実は地獄、人々は夢を求めて小説を読む。
神の存在を信じる方は、神は気まぐれであることを肝に銘じておいて下さい。”
最後までお読みいただきありがとうございました!




