「後期高齢者医療制度」と「なめとこ山の熊」

 4月1日(平成20年)から後期高齢者医療制度が実施され、75歳以上の高齢者から、医療保険料が徴収されることになりました。保険料は原則として、支給される年金から天引き(直接控除)されます。保険料は、その方の所得によって決められるということで、その計算方法も実にややこしいのです。75歳未満の方々については、

ある程度所得があったとしてもある一定額の範囲であれば、被保険者の被扶養者として、保険料は免除されます。

ところが、75歳以上になると、所得に関係なく全員が保険料を支払わなければなりません。保険料の計算方法は、今のところ明確ですが、こういうものは必ず、1年に1~2回は改正されます。そして改正されるたびにわざとややこしくなっていくのが常です。
75歳をすぎた高齢者が制度の改正や保険料の計算方法が変わる毎に、ややこしくなっていくものを、自分で細かく計算する能力があるのでしょうか? すべてのお役所で共通していることは、役所の窓口で対応する人達の中には、良く知らないで、無理矢理説得しようとしている光景をよく見かけることがあります。

しかもこの年齢の方々は、お役人様絶対主義で、御上は間違ったことをしない、と信じている方達です。多少ぎもんがあったとしても、うまく言いくるめられてしまい、多く控除されても、誰もおかしいとは思わないでしょう。保険料及び税金の取りすぎや支給の未払いがあっても間違っていたといえばそれで済んでしまう、過去において、これらの間違いがあったということは耳にするが、この間違いをした人達が罰せられたということは聞いたことがありません。

不審なことがあって、私達が役所の窓口に聞きに行くと、本人でなければお話しすることは出来ません、といわれます。個人情報保護法により、本人以外にはお話しできません。といって必ず逃げられます。

今の高齢者は、催眠商法に騙され、振り込め詐欺に悩まされ、今度は国から・・・
親の年金を充てにしているのは、いい年をしながら仕事もしないで遊んでいる子供達だけかと思ったら、今度は国までが年金をあてにしている。誰も可笑しいと思わなくなってしまったことが恐ろしいです。

少ない年金を食い物にされ、医療機関から閉め出された高齢者はどこへいけばいいのでしょうか。

「熊は猟師に負け、猟師は、(熊の毛皮を買取る荒物屋の)旦那に負けると決まっている。
旦那は、町のみんなの中にいるからなかなか熊には食われない。
けれどもこんなずるいやつらは世界がだんだん進歩するとひとりでに消えてなくなっていく。」と宮沢賢治は「なめとこ山の熊」で描いていましたが、

進歩したとする今の世の中になっても状況は何ら変わりません。
  
国民(弱者)は、旦那には一生負ける。

「けれどもこんなずるい奴らは世界がだんだん進歩するとひとりでに消えてなくなっていってほしい」と思う今日この頃です。

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