成功の秘訣 -マスターが熱く語りました-

5月のゴールデンウイークも終わりに近づいたある休日の夕刻、喫茶「情報塾」のカウンターには例によって、常連が5~6名止まり木に座ってそれぞれ飲み物を手にしながら雑談を交わしていた。

「ガソリン税は上がるわ、後期高齢者医療制度とかで家の爺さん、婆さんの保険料は取られるわ、食品の値段は軒並み上がるわ、消費税の値上げは囁かれるわで、この国はいったいどうなっているんだ。」D氏がぼやいた。


「連日訳もなく殺人事件が発生するし、無差別殺人がはやる、親子、兄弟(姉妹)、夫婦で殺し合いをする、変な自殺が連鎖反応を起こす。本当にやりきれない気持ちだね。」J氏がつぶやく。

「ネット社会なるものが変に世の中を歪めてしまったんじゃ無いのかな。しかしこれは避けて通れないしね。」Gが話をついだ。
「今世の中をリードしている人達に問題がある様な気がするね。上手く表現できないけど」「そうだね、今成功している人達というのはどういう人達なんだろう。秘訣があれば知りたいよ」L氏がいった。
そして何となく皆の視線がマスターの方に行く。

そう、この喫茶「情報塾」のマスターは本業が、社会保険労務士、行政書士で、その知識は豊富で、鋭い感と長い経験から培った能力で多くの経営者から頼られているとのことだ、しかし彼はここ喫茶「情報塾」で本業の話をするのは好まないという。

皆の視線を感じたマスタ-は、グラスを磨いていた手を止めると、例の照れた様な微笑を浮かべると「そうですね、それでは私が考えている成功の秘訣の一部を少しお話しましょう」

以下、マスターが話してくれた成功の秘訣の一部を私(常連H)が記載しましょう。

「成功の秘訣とは」
世の中には人に知られていない、その道の名人、達人ともいう人はごまんといます。
テレビ、新聞、雑誌等で紹介されて知名度をあげていきマスコミに取り上げられ、時の寵児としてもてはやされている人は、ほんの一握りに過ぎません。
具体的な事は控えますが、芸能人、政治家、各種のコメンテーター等は、本職が何であるか解らなくなっている人達が多いのは周知の事実です。その道のオーソリテイーはその能力において、無名の名人、達人に劣る場合が多いといわれています。
一例を挙げれば、過日ラジオ放送で聞いたのですが、東京都内に芸能人と呼ばれる方々は約2万人、その中で常にテレビやドラマ等に出演されている方々は77人だそうです。
勿論この方達より、容姿、知能、演技等が優れている方々は沢山おられるが、視聴者は常日頃見慣れている人の方が親しみやすいのだそうです。
それでは、世の中に出て、成功するには(名を知られ、金持ちになり、後世に名を残す?)にはどのようにしたらいいでしょうか。
それは次の事をしっかり守ることです。

1.その持てる技術・手法(スキル)がそこそこ人並みであること
何事に寄らず誰が考えてもこれはプロとは言えないよ、と評価されるのではいけません。そこそこできれば殆どの人達を満足させることができます。やらせの多い「味比べ」でさえ100パーセントではありません。それに自分自身がそれを自覚していれば不足部分を補おうとしてサービスに力を入れる様になります。スキルの向上を目指してそれだけに力をそそぎ込むと、当然時間の関係でその分世事に疎くなります。

2.プライドを捨てること
プライドは人間にとってなくてはならないものだと思いますが、殆どが自己満足しているだけのものです。むしろ他人からは滑稽に思われていることが多いのです。
百害あって一益無しと考えた方が間違いないでしょう。「慇懃無礼」という言葉 があり良い意味には使われませんが、本質を見抜ける人は少ないのです。

3.厚顔になること(厚顔無恥ではありません)
人の感情を害さない事ばかり考えていて遠慮していると他人に先を越されてしまいます。やはり自分を知っていただくためには自分を売り込むことが必要です。
ある程度の図々しさを持っていないと競争に負けてしまいます。あまり相手構わず押し付けてばかりいると嫌われます。良くも悪くも口コミは結構影響があります。
相手の気持ちを考えて売り込みましょう。相手の気持ちを知りながら相手の意志に逆らう場合は、どこかに相手に対する思いやりがにじみ出るものです。この僅かな思いやりが大切なのです。

4.手間を惜しまないこと
手抜きをしたことが相手に解ると(感じられると)どんなに結果が良くても相手は不満を抱きます。貴方のためにこんなに大変な苦労をしたんだ、という事をそれとなく相手に解らせる事が大切なのです。対人関係は、相手を満足させることです。それには細かい気配りが必要です。その気配りが時として相手の心を打つのです。

5.好き嫌いをなくすこと
人間は好き嫌いの感情が激しい動物です。しかし、ビジネスでは絶対に嫌悪感を表してはなりません。人は恩は忘れても恨みはわすれないものです。誰に対しても、あの人は自分の方だけを向いている、と思わせることが肝要です。それに自分の好意を持てる人だけを相手にしているとその数は限られます、また自分が好意を寄せても相手も同じであるとは限りません。結果接触する人数が僅かしかいなくなるのです。

6.こだわりを捨てること
これが一番大切なことです。世に隠れた、名人、達人の方々は、殆どといって良いくらい自分の思考や技(能力)にこだわりを持ち、これほど素晴らしいものを崩したくない。(又崩したらかえって駄目になることを良く知っているので)自分の持てるものをそのまま相手に理解してもらおうとします。そしてそれを受け入れない相手は、物の善し悪しが解らない、道理をわきまえない人達だと決めつけて、決して妥協しないのです。それで更に自分の技(知識)に磨きをかける、そして益々一般の人達から離れていってしまう、これを繰り返すのです。

       -ああ我窮す世ついに我を知る者なきか-

 どんなにその技(知識)が優れていても、大多数の人達はそれを求めていません。人々が求めているのは、その人の技量が優れているからではなく、他人が求めているから、自分も求めたくなるのです、こだわりが続いた試しがありません。

 最後に、マスターは照れ笑いをしながら言いました。

「私はこだわりすぎました。以上の6項目は、私が人生において失敗した原因の総評です。これを読まれた方々は、この教訓を反面教師として胸に刻んで、幸せな人生を歩んで下さい。」 

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