中小企業で働くことのおもしろさ

毎年この時期になると、新調したスーツ姿の何となくぎこちない若者(男女問わず)が結構目につきます。本業である事務所は、西新宿にあるので、昼頃になると、大きなビルからぞろぞろとそれらしい若者達が出てくるのを見かけるにつけ、この若者は3年後はどう変わっているだろうかと考えます。自分の希望通りに、

職業生活を進めているのか、それとも理想と現実のギャップが大きすぎて、自分の思っていた仕事ではなかったと、あてもないまま転職をくりかえすのでしょうか。

かなり以前会社員だった頃、ある男性が新入社員募集に応募してきたので、採用と教育を担当していた私は選考結果を伝えに本人の自宅を訪ねたのです。(今のように電話が普及しているわけではなかった)本人は不在で、母親が応対に出てきたので、来意を告げるとその母親は、「うちの息子がですか?うちの○○ちゃんはそんな会社へいくはずがございません。お間違いではないですか。」
「いや、確かにお宅様の○○さんだと思いますが」
「○○ちゃんは、□□□へ就職することになっております。ホラ、あの会社は有名でしょう。ご存じですよね。」私は良く知らなかったが、確かアパレル系の会社だったと思います。
私の勤務している会社もその業界に於いては日本中に名が知れている会社であったのですが、その母親はいとも簡単にそういってのけました。

 だいたい世の中、ことあるごとに、会社名だけで、判断されます。あそこの息子さんは、あの大きな会社に勤めてるから立派だとか、、、。

 ただ、私の経験からいって、プロとして技術を身につけるのならば、大企業より、むしろ中小企業のほうがよい場合があると考えます。

 もちろん所得は落ちるかもしれないですが、職務内容は自分が覚えたいと思っている業務だけにとどまりません。技術者でも営業、管理等と一通りこなさなければなりません。けれど一見無駄だと思われるこの経験が数年後見事に生きてくるのです。いろいろな体験をすることによって、多方面から物事を見て、判断する能力が身に付いてくるのです。また、経営者の身近にいることによって、世の中全体の仕組みが色々わかってきて結構おもしろいし、独立するなら大企業よりも、チャンスは多いのです。

 少ない人数で仕事を切り盛りしていかなければならないので、使用者も労働者も関係なく、人と人が助け合うというチームワークが自然とできてきます。私の知っているある小さな町工場では、一時経営危機に陥ったときに、廃業を考えたのですが、「でも○○さん(従業員)がいるから、廃業できないよね。」とがんばって、その後見事に経営を立て直し、現在は順調に経営されております。その従業員の方は、今年の春65歳になるのですが、所得は以前と変わっていないし、「いつまで働いてもいいですよ。」と会社からいわれ、今も黙々と工場で働いているのです。

 名前が知られていないとか、中小企業というだけでその良さを知らないのは不幸だと思うのです。これから職探しをしている方々に、「中小企業もおもしろいですよ。」と、いいたいのです。

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