秋の夜更けは、本と酒に限る

秋は豊穣、四季の中でも最も素晴らしい季節だと思いますが、私的には何か、人懐かしく、一抹の寂しさが忍び込んでくるのは、やがて近づいてくる冬の気配を感じているからなのでしょうか?
暖かく穏やかな日差しが消え、釣瓶落としの日が沈むと物悲しい夜がやってきます。この時期になると、虫の声もほとんど聞こえてこなくなります。
深閑とした夜を過ごすには、やはり酒と読書です。夜が更けての読書は、短編がいいようです。それもできれば、怪奇(ホラー)もの、推理(探偵)もの、文学調のもの等々、恋愛物や、SFものはできれば避けたいところです。
著名な作家が世に送り出した高名な名探偵が活躍をしない短編で、心惹かれるものが多くあります。
オーソドックスなもので、エドガー・A・ポーの「沈黙」「めぐりあい」「群衆の人」などはその代表と言えるものだと思うのです。
他には、ビアス、ブラックウッド、ディクスン・カー、ウールリッチ、ハメット、チャンドラー等々日本でいえば、上田秋成、ハーン、「日本代表ミステリー」「新青年傑作集」日本推理作家協会編や、「本格推理集」「日本文学全集」等々、枚挙にいとまがありません。

要は、自分が好きなものを好きなように読むということです。

さぁ、今夜も10時を過ぎました。いつもなら寝る支度をするところですが、明日は休みの予定なので、夜更けまで読書をすることにしましょう。全部片付けて、机の上に、酒と本をスタンバイします。
酒は、親友が贈ってくれた、スコッチ、キャンベルタウン・シングルモルトの年代物、とても自分の小遣いでは買えない代物です。
本は、今日、古書店で探してきた「結城昌治」の短編集。すでに読んだものも納められてはいるものの、未読のものが何編か混じっています。

辺りは静かで、窓の外では落ち葉が風に誘われて、かさかさと乾いた音を立てています。

除湿機の唸りが、かすかに響いて眠りを誘います。グラスに酒を注ぐ、とくとくとく、と音がして、独特の芳香がほのかに漂います。最初はストレートで、2杯目からはオンザロックで、、。

1口すすって、本を開く、さぁ至福のひと時が始まります。やさしい睡魔がお迎えに来るまで全てを忘れて、自我の世界に陶酔します。そして、眠ったら夢で続きを読むでしょう、そこからは、自分で創りだした楽しい物語で、、。

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