2010年初詣

2000年も2桁に突入した。新年がやってきた。2000年のカウントダウンで、時計や多くの計器類が狂い、世界が大混乱になると大騒ぎしたのが、つい先日のような気がする。あれから10年、時の過ぎるのは早いものだと思いつつも初詣に出かけた。

元日にふさわしく寒波が日本全土を包んで晴天は関東の一部のみ、あとは大雪に見舞われて、あちこちで交通機関が麻痺していると報じられていた。とりあえず駅近くの神社へ行くことにしました。別にその祭神には関係なく、ただ近いからそこにしたまでだ。

軽く防寒被服で身を包む。空気はしだれるように冷たい。よく晴れていて、空は淡いブルー一色。風はほとんどなく、朝日が低い家屋の屋根を照らしていて妙に明るい。住宅街はしんとして物音ひとつしない、皆まだ眠っているのだろうか。

不意に路地から中年女性が飛び出して来て大きく深呼吸をしたが、私を見てすぐ引っこんだ。はるか向こうからやはり中年女性が歩いてくる。あとは誰も出ていない。駅に通じる商店街にさしかかる。コンビニ以外はどこも開いていない。さすがに2~3人の人達がうごめいている。神社が近くなるにつれて、参拝者らしい人々が少しずつ行きかっている。

駅のほうからこの国の行く末を不安に落としいれる6~7人の若者達が大声で騒ぎながら神社に向かっていった。安い酒を朝まで飲み明かしていたのだろう。幸せな奴等だと思う。中に若い女性が一人いてその人の子供らしい3~4歳の子供がまじっていたが、その子に男のうちの誰から自分のジャンパーを着せてあげたらしく、だぶだぶのジャンパーを着てよたよた歩いているのがペンギンを想いださせ、少し心が和む。

境内に入ると参拝者は増えているが、若い者はこの連中だけで、ほとんどがよぼよぼの老人、それも一人寂しそうによたよたしている人がほとんどだ。神社の建物に比べて、賽銭箱がやけに大きくて新しい。賽銭を放り込み、手を合わせる。何も頼んでいない。形式だけ整えばいい。お互いに貸し借りなしの間柄でいたいものだ。

帰りは、裏道をとおって来た。細い欅の木が何本か繁っている。そこに自然保護地区の看板が掲げてあり、なにやらごたごた記述があったが、読まずに素通りする。

家に続く路地に出ると、杖をつき、右足を引きずるようにして歩いてくる男性とすれ違った。寒いのによれよれのスーツをきているだけ、寒さに顔をしかめて辛そうに歩いている。何を考えているのか?どこにいくのか、とりあえず関係ない。

 朝日が逆行となり眩しい。後は誰にも会わないまま家路にたどり着いた。今年はどんな年になるやらわからない。元旦にしては、何となくやりきれない気分のまま食事の支度を始めた。

 

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カテゴリー: マスターの戯言 タグ: パーマリンク